季節別の注意点と対策
ぽかぽか・春対策
春のおさんぽ
積極的におさんぽしましょう
春は気温が上がってきてお出かけしやすい季節です。おさんぽで外の空気を吸うことは呼吸器系への刺激となり、決まった時間帯におさんぽをすることで生活リズムが整いやすくなります。昼間のおさんぽがおすすめですが、その日のお天気や赤ちゃんの体調に合わせて時間帯を調節するのはOKです。積極的におさんぽの機会を作っていきましょう。
ただし、春は黄砂や大気汚染物質であるPM2.5※が多くなる季節でもあります1,2)。おさんぽへ行く前に地域の情報を確認して、黄砂やPM2.5の影響が多いとされる日は屋外にいる時間を短めにするなどの工夫をしましょう。
- 大気中に浮遊している2.5μm以下の小さな粒子2)。PM2.5は非常に小さいため、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が心配されています2)。
環境省:現在の状況【速報値】
(都道府県のサイト)
出典
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環境省:「黄砂パンフレット」
(https://www.env.go.jp/air/dss/pamph/pdf/04.pdf) [2022年2月28日確認] -
環境省:「微小粒子状物質(PM2.5)に関するよくある質問(Q&A)」
(http://www.env.go.jp/air/osen/pm/info/attach/faq.pdf) [2022年2月28日確認]
春の陽気でもたまに寒い?
服装には気をつけて
春らしい陽気が続く日もあれば、急に気温がガクンと下がる日もあるというのが春の特徴です。また、春はほかの季節に比べて1日の中での最低気温と最高気温の差が大きく、日中と朝晩の気温差もあります。赤ちゃんは体温調節可能範囲が狭いので、その日の気温に合わせて衣類を調節することが大切です。お出かけするときは、はおりものやおくるみなどを持参すると重宝するでしょう。
また、感染症流行時のお出かけでは、赤ちゃんにもマスクを着けるべきか悩むことがあるかもしれません。赤ちゃんはマスクで息苦しくなっても、「苦しい」と言葉で伝えたり自分でマスクを外したりすることができませんし、正しく着けるのは難しく感染対策としての効果もあまり期待できないと考えられています1)。マスクを着けることで窒息や熱中症の可能性も高まる1)ため、赤ちゃんにマスクを着ける必要はないでしょう。
出典
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日本小児科学会:「乳幼児のマスク着用の考え方」
(https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=117) [2022年2月28日確認]
春から始める紫外線対策
春のお出かけでも気をつけたいのが紫外線。紫外線は1年の中では4月から9月に強い1)ので、春も紫外線対策は重要です。お出かけのときは帽子や長袖、おくるみなどを使って肌の露出を防ぎ、赤ちゃんを紫外線から守りましょう。抱っこひもでお出かけするときは日傘をさしてもよいかもしれません。また、日焼け止めを使うときは、赤ちゃん用で低刺激性と書いてある製品を選ぶようにしましょう1)。
紫外線の量は地域や天候、時間帯によっても異なります。お出かけ先や時間帯を決めるときは、紫外線情報も確認するとよいかもしれません。
気象庁:紫外線情報(分布図)
出典
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日本小児皮膚科学会:「お役立ちQ&A こどもの紫外線対策について」
(http://jspd.umin.jp/qa/03_uv.html) [2022年2月28日確認]
春にかかりやすい赤ちゃんの病気
寒暖差や環境の変化で病気にかかりやすい季節です。
赤ちゃんの様子が普段と違うときや、気になる症状があるときは、かかりつけ医に相談しましょう。
特徴 | 水痘帯状疱疹ウイルス(すいとうたいじょうほうしんウイルス)による病気で、1歳以下の赤ちゃんでは合併症発症の可能性が高くなると報告されています1)。 |
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症状 | 子どもの場合は、発疹から始まります1)。かゆい発疹があらわれ、赤くなったり、ぶつぶつになったりしたあと、水ぶくれになってかさぶたになります1)。はじめは頭皮に発疹ができ、そのあと体にあらわれることが多いと報告されています1)。倦怠感や発熱を伴うこともあります1)。1歳以下の赤ちゃんは、熱性けいれんや肺炎などの合併症で重症化する場合があるので注意が必要です1,2)。 |
流行時期 | 12~7月に多く発生しています1)。 |
感染経路・治療・予防 | 治療には、発疹のかゆみを抑えたり皮膚を保護したりする外用薬が用いられます。空気感染、接触感染、飛沫感染でうつるので、かかっている人に接触しないようにすることが大切です1,2)。水痘発症を予防できるワクチンがあり、1歳の誕生日前日から3歳の誕生日前日までの期間を対象に定期接種となっています2)。 |
出典
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国立感染症研究所:「水痘とは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/418-varicella-intro.html) [2022年2月28日確認] -
厚生労働省:「水痘」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/varicella/index.html) [2022年2月28日確認]
特徴 | 百日咳菌への感染によって起こる病気です。乳児もかかることがあり、1歳以下、特に生後6か月以下では重症化する場合もあります1)。 |
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症状 | かぜのような症状で始まり、せきが激しくなっていきます(カタル期)1)。その後、コンコンという激しいせきをしたあとヒューッと息を吸う百日咳特有のせきが約2~3週間にわたって続きます(痙咳期:けいがいき)1)。発作は次第におさまりますが、発症から回復まで約2~3か月かかると報告されています1)。 |
流行時期 | 一年中発生しますが、特に春から夏が多くなっています2)。 |
感染経路・治療・予防 | カタル期の治療には生後6か月以上の場合、抗菌薬が使われます1)。ワクチン接種によって発症するリスクを下げることができ、生後3か月から90か月までに百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオを予防する4種混合ワクチンの4回接種が定期接種となっています1,2)。飛沫や接触により感染します1)。ワクチンの普及により発生数は減っていますが、まだワクチンを接種していない赤ちゃんにうつさないことが大切です1)。 |
出典
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国立感染症研究所:「百日咳とは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/477-pertussis.html) [2022年2月28日確認] -
厚生労働省:「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)」
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000201596.pdf) [2022年2月28日確認]
特徴 | 風しんウイルスにより全身に発疹ができる病気です1)。 |
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症状 | 顔や首に発疹ができ、全身に広がっていきます2)。耳の後ろや後頭部などのリンパ節が腫れ、約半数の人は発熱もみられる場合があります。まれに血小板減少性紫斑病※や脳炎を合併することがあります。感染しても15~30%の人は症状が出ないまま免疫ができると報告されています1)。 |
流行時期 | 春先から初夏にかけて流行します3)。 |
感染経路・治療・予防 |
ウイルスを含む飛沫などによって感染します1)。有効な治療法はなく1)、予防のために1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象に、麻しんワクチンとの混合ワクチンであるMRワクチンが定期接種になっています3)。 近年、患者の多くは大人であり、妊娠初期の女性が感染すると生まれる赤ちゃんが先天性風疹症候群を発症することがあります3)。先天性風疹症候群の予防や、ワクチンを接種できない赤ちゃんを風しんから守るためにも、大人の予防接種も重要です。
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出典
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国立感染症研究所:「風疹とは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/430-rubella-intro.html) [2022年2月28日確認] -
厚生労働省:「保育所における感染症対策ガイドライン」(2018年改訂版)
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000201596.pdf) [2022年2月28日確認] -
国立感染症研究所:「風疹Q&A(2018年1月30日改訂)」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/rubella-m-111/rubella-top/700-idsc/7811-rubellaqa180130.html) [2022年2月28日確認] -
日本血栓止血学会:「特発性血小板減少性紫斑病」
(https://www.jsth.org/glossary_detail/?id=61) [2022年2月28日確認]
特徴 | 麻しんウイルスによる感染症で、感染力が強く、重症化する可能性もある病気です1)。患者の約半数は2歳以下と報告されています2)。 |
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症状 | 38度前後の発熱とともに倦怠感、せき、鼻水、のどの痛みがあらわれ、症状が強まっていきます1)。乳幼児は下痢や腹痛が起きる場合もあります3)。熱は一度下がりかけたあと再び高熱(39.5度くらい)となります。発疹が耳の後ろや首のあたりから顔、上半身、そして下半身へと広がっていきます。39.5度以上の発熱は3~4日続き、せきや鼻水などの症状も強くなります。肺炎、脳炎、中耳炎などを合併する場合もあります1)。 |
流行時期 | 初春から初夏の発生が多くなっています2)。 |
感染経路・治療・予防 | 治療は対症療法となり、肺炎などの合併症がある場合は抗菌薬が使われることがあります。感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染ですが、感染力が強く、マスクや手洗いでは予防できません。予防には定期接種になっているワクチンを打つことが大切です。1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象に麻しん風しん混合ワクチンが定期接種となっています1)。 |
出典
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国立感染症研究所:「麻疹とは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/518-measles.html) [2022年2月28日確認] -
国立感染症研究所:「麻疹の現状と今後の麻疹対策について」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ma/measles/221-infectious-diseases/disease-based/ma/measles/588-measlestop.html) [2022年2月28日確認] - 米国小児科学会 編, 岡部信彦 監:最新感染症ガイド R-Book2018-2021. 日本小児医事出版社. 2019
特徴 | RSウイルスに感染して発症する呼吸器の病気です。2歳までに、ほぼすべての子どもが感染するといわれています1)。RSウイルスによる下気道感染症は、生後1年以内の子どもが入院する主な原因と報告されています2)。 |
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症状 | 軽いかぜのような症状から重い細気管支炎や肺炎まで症状はさまざまです。潜伏期間は2~8日で、通常は、38~39度の発熱や鼻水、せきなどの普通のかぜのような症状があらわれ、1~2週間くらいで治るのが一般的です。しかし悪化してしまうと、細気管支や肺の症状があらわれることがあります。とくに、生後6か月未満の赤ちゃんは重い細気管支炎や肺炎などになることもあります3)。 |
流行時期 | 夏ごろから翌春にかけての流行が報告されている3,4)ため、1年中注意が必要です。ただし、流行の時期は都道府県ごとに異なると報告されています3,4)。 |
感染経路・治療・予防 | 主な感染経路は、飛沫感染と汚染された手指や物品を介した接触感染です。RSウイルス感染症の治療薬はなく、必要に応じて酸素を投与したり点滴をしたり対症療法を行います3)。 予防が大切ですが、ワクチンはありません3)。日ごろから外出のあとや調理・食事の前、鼻をかんだあとなどに石鹸でよく手を洗いましょう。おもちゃなど赤ちゃんのまわりのものは、アルコールでこまめに消毒しましょう。 |
RSウイルス感染症の
最新流行情報はこちら
出典
- Piedimonte G. & Perez MK.: Pediatr Rev. 35(12), 519-530, 2014
- Rossi GA. & Colin AA.: Eur Respir J. 45(3), 774-789, 2015
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国立感染症研究所:「RSウイルス感染症とは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html) [2022年2月28日確認] -
国立感染症研究所:「IDWR 2013年第36号<注目すべき感染症>RSウイルス感染症」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrc/3972-idwrc-1336-01.html) [2022年2月28日確認]
特徴 | A群溶血性レンサ球菌による感染症で、侵入した部位によってさまざまな症状があらわれます1)。 |
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症状 | 急性咽頭炎やとびひ(膿痂疹:のうかしん)、蜂窩織炎(ほうかしきえん)、中耳炎、肺炎などを起こすと報告されています1)。咽頭炎は、発熱と全身の倦怠感、のどの痛みがあり、嘔吐することもあります1)。 |
流行時期 | 咽頭炎は、冬季と、春から初夏にかけての2つの時期に流行します1)。 |
感染経路・治療・予防 | 咽頭炎の治療には、抗生物質が使われます。飛沫や接触によってうつるため、家庭内では、学校で感染したきょうだいからうつることがあるといわれています1)。予防には感染している人と接触しないことが大切ですが、うがい、手洗いなどの基本的な感染予防も行いましょう1)。 |
出典
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国立感染症研究所:「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/340-group-a-streptococcus-intro.html) [2022年2月28日確認]
特徴 | ノロウイルスを原因とする胃腸炎や食中毒で、牡蠣など二枚貝から感染することが報告されています1,2)。さらに、ノロウイルスが付着した人の手や指、食品などを介して感染が広がります。 |
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症状 | 1~2日の潜伏期間を経て、主な症状である吐き気、嘔吐、下痢があらわれることが多いでしょう。腹痛、頭痛、発熱などがあらわれる場合もあります1,2)。 |
流行時期 | 12月から3月が流行のピーク1)のため、暖かくなってきても感染対策を続けることが大切です。 |
感染経路・治療・予防 |
ヒトへの感染経路は、主に経口感染(食品、糞口)です1,2)。抗ウイルス薬はなく、点滴や経口補水液により栄養や水分を補給したり、整腸剤を使ったりするなど、下痢、脱水、嘔吐に対する対症療法が行われます。赤ちゃんは脱水や体力の消耗にも気をつけましょう2)。 ウイルスは熱に弱いため、加熱が必要な食品は十分に加熱しましょう。調理をする人はしっかりと手を洗い、二枚貝を扱った調理器具は、アルコール消毒ではなく、次亜塩素酸ナトリウムや熱湯で消毒を行います。また、ノロウイルス感染症を発症した人の便や嘔吐物に含まれるウイルスから周囲の人が感染してしまうこともあります。これらの汚物を処理するときには、使い捨てのエプロン、マスク、手袋などを着用し、汚物が付着した物は次亜塩素酸ナトリウムや熱湯で消毒しましょう。処理したあとは十分に手を洗うことも大切です1,2)。 |
出典
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国立感染症研究所:「ノロウイルス感染症とは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/452-norovirus-i) [2022年2月28日確認] -
厚生労働省:「ノロウイルスに関するQ&A」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html) [2022年2月28日確認]
特徴 | ロタウイルスが腸に感染することで起こる胃腸炎で、5歳ころまでにすべての子どもが感染するとされています1,2)。 |
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症状 | 潜伏期間は2日間で、血便や粘血便を伴わない下痢、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛が主な症状です。発熱と嘔吐から症状が始まって、24~48時間後から水のような便が何回も出ることがあります1)。 |
流行時期 | 年末から流行し始め、4月ごろにピークを迎える1)ため、春が感染予防の本番です。 |
感染経路・治療・予防 |
主な感染経路はヒトとヒトとの間で起こる経口感染です。抗ウイルス薬はなく、点滴や経口補水液により栄養や水分を補給したり、整腸剤を使ったりするなど、下痢、脱水、嘔吐に対する対症療法が行われる場合があります1)。 感染力がとても強く、感染予防は難しい病気です。胃腸炎の重症化を防ぐための経口ワクチンが定期接種となっています。接種回数が異なる2種類のワクチンがあり、どちらのワクチンであっても、初回は生後6週から生後14週6日までに受ける必要があります2)。 |
出典
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国立感染症研究所:「ロタウイルス感染性胃腸炎とは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/3377-rota-intro.html) [2022年2月28日確認] -
厚生労働省:「ロタウイルス」
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/rota_index.html) [2022年2月28日確認]
特徴 | ヒトパルボウイルスB19(エリスロウイルスB19)による病気で、頬がりんごのように赤くなることが特徴です1)。 |
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症状 | 両頬がりんごのように赤くなり(紅斑)、手や足にも発疹があらわれます。発疹があらわれる7~10日くらい前に、微熱など、かぜのような症状が出る場合があります。発疹のほとんどは1週間前後で消えると報告されています。5~9歳の発生が最も多く、次いで0~4歳での発生が多いことが報告されています1)。 |
流行時期 | 1月から7月にかけて発生数が増えます1)。 |
感染経路・治療・予防 | 飛沫や接触により感染します。治療は対症療法しかありません1)。感染力があり周りにうつしやすいのは発疹があらわれる前で、発疹があらわれた頃は感染力がなくなっています。感染力がある時期にかかっている人から周りへの感染を予防することが難しいため、日頃から手洗いやうがいなど一般的な予防策を心がけることが大切です1,2)。 |
出典
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国立感染症研究所:「伝染性紅斑とは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/443-5th-disease.html) [2022年2月28日確認] -
厚生労働省:「保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)」
(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000201596.pdf) [2022年2月28日確認]
特徴 | ムンプスウイルスによる唾液腺が腫れる病気で、患者の半数近くが4歳以下と報告されています1)。 |
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症状 | 主な症状は、両側か片側の唾液腺の腫れと痛み、飲み込むときの痛み、発熱です。唾液腺の中でも、耳の前下方にある耳下腺にあらわれることが多く、腫れは48時間以内にピークとなり、症状は約1~2週間で回復します。合併症として、無菌性髄膜炎、難聴、思春期以降の睾丸炎や卵巣炎があげられます。感染しても症状があらわれない人も3割程度いることが報告されています1)。 |
流行時期 | 春から夏に多く発生します2)。 |
感染経路・治療・予防 | 治療は鎮痛解熱剤などによる対症療法です1)。接触と飛沫によって感染します。強い感染力があり、感染して症状が出ていない人の唾液を介して感染することもあります1,2)。任意接種ですが、おたふくかぜワクチンがあり1歳児と小学校入学前1年間の2回の接種が推奨されています2,3)。 |
出典
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国立感染症研究所:「流行性耳下腺炎(ムンプス、おたふくかぜ)」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/529-mumps.html) [2022年2月28日確認] -
日本小児科学会:「学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説」
(http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/yobo_kansensho_20210628.pdf) [2022年2月28日確認] -
日本小児科学会:「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの変更点」
(http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf) [2022年2月28日確認]
特徴 | インフルエンザウイルスによる感染症で、乳幼児や高齢者は重くなりやすい病気です1,2)。 |
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症状 | 1~3日程度の潜伏期間のあと、主に高熱や頭痛、全身の倦怠感、筋肉痛や関節痛などの症状があらわれます。それらが突然あらわれるのがインフルエンザの特徴で、そのあと鼻水やせきがあらわれることもあります1,2)。 |
流行時期 | 1月から3月ごろに流行する1)ので、春先も注意が必要です。 |
感染経路・治療・予防 |
主な感染経路はせきやくしゃみの飛沫により感染する飛沫感染です2)。医師が必要と判断した場合、抗ウイルス薬を服用します。多くの場合は、安静にし、栄養や水分を補給して自然に治るのを待ちます2)。 予防するには、流行期に人ごみを避けることのほか、周囲の大人がウイルスを持ち込まないようマスクを着用し帰宅後手洗いすることが大切です1)。任意接種ですが、インフルエンザウイルスワクチンもあり、生後6か月から接種することができます2)。 |
出典
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国立感染症研究所:「インフルエンザとは」
(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/219-about-flu.html) [2022年2月28日確認] -
厚生労働省:「インフルエンザQ&A」
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html) [2022年2月28日確認]
春の体調管理
季節の変わり目の寒暖差に注意
日ごとに暖かさが増しますが、日によっても、1日の中でも、気温の変動がある季節ですから、お出かけのときと同じように室内でも気温差に注意が必要です。室温は外気温との差が5度以内になるようにコントロールし、必要に応じて冷暖房を使いましょう。湿度は50~60%が適切です。
赤ちゃんは暑がりなので、生後2か月以降は大人より1枚少ない服装を心がけ、気温の変動に合わせてこまめに着替えさせて調節します。寝るときも衣服を増やさなくてもよいでしょう。冷えることが心配な場合は、スリーパーを活用するのもひとつの方法です。
家族に環境の変化があると、どんなことが起こる?
きょうだいの入園や入学、進級などがあると、環境も変化します。大人も人事異動などで新しい環境で仕事をスタートする方もいるでしょう。赤ちゃん自身に変化はなくても、きょうだいや周りの大人の環境に変化があれば、一日のタイムスケジュールが変わってくるかもしれません。
環境の変化があることで、家族がストレスを感じることもあるでしょう。ストレスとは、睡眠不足など身体面の要因や、不安など心理的な要因、人間関係の悩みなど社会的な要因によって緊張状態になっていることをいいます。
ストレスがあることで、いらいらしたり、気分が落ち込んだり、腹痛や不眠など心身に症状があらわれることがあります。そのような症状があるにもかかわらず、そのままストレスを受け続けていると、さらに体調をくずしてしまうかもしれません。
家族にストレスを感じている様子が見られたら、休息の時間を設ける、遊びや趣味でストレス発散するなど、本人がストレスをためすぎないように周りの人たちがサポートしてあげられるとよいですね。周囲の家族が心身ともに健康であることは赤ちゃんが元気に育つために大切です。
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